粗大ごみとなった畳を捨てた体験談

粗大ごみといえば

粗大ごみという言葉から受ける印象と言えば、不要になった家電製品や家具という印象があります。これは一面において事実です。
お金を払えば処分に困るごみを回収してくれるという業者にしても、取り扱っているのは、そのたぐいです。
パンフレットに目を通してみても、引っ越しなどの際に不要になったものをお引き受けしますとの宣言通り、家電や家具以外はNGのようです。
しかし私の知り合いが勤務する会社は、一風変わったものを粗大ごみとして処理していました。それは何かと言いますと、畳です。

古畳処分のナゾ

彼は畳製造店に勤務しており、日常的にそれを取り扱っています。畳屋はその張り替えを行う際、顧客からの要望があれば、古くなったそれを引き取ります(大抵のお客さんは処分に困るため、専門家に後は任せるそうです)。
広く知られているように、畳はイグサからできています。元が植物性のものだから、私はその処分法と言えば、どこかで燃やしてしまうものかと考えていました。
科学物質を多分に含んでいるものであれば、燃やせば有毒ガスが発生して面倒なことになりますが、イグサと糸からできている畳を燃やしたところで、困るようなものが出てくるとは思えません。
しかし、私がその辺を指摘すると、彼は違うと否定しました。
それなら断裁して、別の業者に後を任せるのかと言うと、そうでもありません。

大地主公認 まさかの処分方法

彼が勤務する畳製造店は、あちこちに顔が利くのだそうで、その関係で大地主とも社長が個人的に友達なのだそうです(旧家が法事の際に、仏間の張り替えをやるが、それが一番大きな商いになると、彼は言っています)。
それで、と続きを促すと、彼はその地主の所有物である山が畳の処分場なのだ、と言います。
私はそこに専門の施設でもあるのかと思い、確認してみました。
ところが、彼が言うには、その山にある崖から畳を放り捨てるだけだ、と言うのです。
私は一瞬耳を疑いました。そんなことをして大丈夫なのかと思い、それを彼に聞いてみました。
すると、その山は価値があるものが何もなく、人気のないところなので、近隣住民から苦情が来ることもなく、また捨てたところで畳なのだから、年月が経過すれば土に帰る、と言うのです。
これは山の持ち主が公認だからこそできる方法なのだと彼は言いますが、変わった話(体験談)には違いありません。

山が畳で埋まったら

この方法が面白いのは、別に誰も損をしていないことです。誰かが迷惑を被るのであれば、こんなシステムは即座に切り捨てなければなりませんが、皆が納得して実行されているのですから、是正する必要はありません。
そのうちに山が畳で埋まったら、やめるかも知れないと彼は笑いますが、私は面白い経験をしているものだなと思いました。