粗大ごみだらけの家を片付けた体験談

引っ越しや大掃除の際に、粗大ごみの処理に困ったという経験をしたことがある人は、少なくありません。
かくいう私も古い冷蔵庫を家の外に出すだけで閉口した(重たい上に我が家の扉が小さかったからです)ことがあるため、人のことは言えません。
しかし、家一軒が丸ごとごみに埋め尽くされた、という状態を目の当たりにしたことがある人は、そうはいないでしょう。以下に記すのは、私の体験談となります。

日給一万円、昼食付の家片付け

そのとき、私は大型連休の最中で暇を持てあましていました。ただ、うちの中でゴロゴロするのも楽しいのですが、何らかの刺激を求める気持ちがありました。
そんなとき、学生時代の友人から連絡がありました。「日給一万円のバイトがあるのだが、参加しないか」と彼は言います。期間は一日だけで、昼食も出るのだそうです。
私は何日も拘束されるのは嫌でしたが、一日以内で終わるものであれば、よい小遣い稼ぎになると思い、二つ返事で参加することにしました。
仕事の内容を聞いてみるに、家の中の片付けだそうで、ちょっとした力仕事です。これなら経験や心得のない私でもやりようがあると思いました。

広くない家に10人の雇われ人

それで、説明された場所に私が行ってみますと、彼とその同僚と私同様に臨時で雇われた人たちが数人いました。
目の前にある家の大きさは普通です。私は首をかしげました。大きなお屋敷であれば、大人数を集めるのも分かるが、こんな大して広くもない家に、10人近くもの人数が必要なのだろうと、始める前から疑問を感じたのです。
家主の案内を受け、屋内に足を踏み入れた瞬間に、その疑問は氷解しました。

ごみ屋敷を片付ける貴重な経験

そこは家の中のほぼ全てがごみで埋め尽くされていたのです。いわゆるごみ屋敷というものなのです。「これならば、一日以内に片付けようと思ったら、大人数が必要になるはずだ」と私は納得しました。ぱっと見ただけで数十キログラムのゴミがあるような場所なのですから、彼が私に電話をかけてまで参加を促したのも当然です。
黄ばんだ冷蔵庫やボロボロでスプリングが顔を覗かせたソファーなど、大物から片付けるのかなと私は思いましたが、最初に足場兼通り道を確保する必要があるとの話になり、弁当箱や空き缶などを袋に詰め、外に放り出す作業が始まりました。 私は普段の仕事柄、汚い場所に慣れているから、そんなに気にとめませんでしたが、そうしたものにあまり耐性のない人たちは、等しく眉をしかめていました(彼らは昼食時もげっそりとしており、あまり食べませんでした)。

そして人海戦術がどうにか功を奏し、粗大ごみの数々は大型トラックに積み込まれ、家の中は綺麗になりました。 私は帰り際に約束の報酬を手渡しでもらいましたが、こんな経験はそうするものではないなと、金銭以上の奇妙なお得感を感じたのでした。